人気ブログランキング | 話題のタグを見る
「病気にならない生き方」とマクロビオティック
マクロビオティック(以下、マクロ)の人体実験を始めるにあたっていろいろな書籍を私なりに読んできたのですが、そんなお世話になった本の中から、今回は、新谷弘実の「病気にならない生き方」という本の紹介です。
「病気にならない生き方」とマクロビオティック_f0070493_2343768.jpg
著者は、現在もアメリカ、日本で活躍する現役のお医者さんで胃腸内視鏡学では有名な先生だそうです。日米ともに30万超の患者さんの胃や腸を内視鏡で診ているうちに、「健康な人の胃腸は美しく、不健康な人の胃腸は美しくない」ということを臨床結果から感じたそうです(人間の人相になぞらえて「胃相」「腸相」と呼んでいます)。で、この胃相腸相にもっとも大きな影響を与えているのが今までの食歴と生活習慣とのことで、玄米菜食を薦めています。マクロが標準食のガイドライン(どんな食事がより望ましいかの基準)を陰陽という中国の易教をベースに理論を構築しているのに対して、新谷氏の理論は「酵素(エンザイム)」をベースにしています。

エンザイムとは、生物の細胞内で作られるたんぱく質性の触媒の総称(ミネラルのまわりにタンバク質がまきついている感じでしょうか?)で植物でも動物でも生命があるところには必ずエンザイムが存在しています。今、分かっているだけでも人間の体内には5000種類以上のエンザイムがあるそうです。よく我々が知っている消化酵素といえばアミラーゼ(唾液のなかに含まれるエンザイムで炭水化物を消化します)がありますが、エンザイムは消化だけでなく、呼吸や筋肉運動などありとあらゆる生命活動に関係しているそうです。このようなエンザイムのもととなる(必要に応じて特定の役割をするエンザイムに作り替える)ものを「ミラクル・エンザイム」と呼称(←まだミラクル・エンザイムの存在自体は仮説の段階)し、このミラクルエンザイムを浪費しない食生活(全粒穀物50%、野菜・果物35~40%、動物食(魚)10~15%→植物性85%:動物性15%が理想)が長生きの秘訣(=胃相・腸相を良くする)だと主張しています。

マクロのガイドラインで肉は好ましくないと習うのですが、どう好ましくないのか科学的に説明を聞きたかったのですが(陰陽以外のアプローチで…)、この本ではドクターならではの臨床結果からの仮説を立てています。著書によると肉は食物繊維がなく(食物成分表では若干ですがゼロでありませんでした)脂肪やコレステロールを大量に含んでいるため、過度の肉食→腸壁がかたく厚くなる(食物繊維不足により便通が悪く、腸が必要以上に蠕動するため筋肉が鍛えられる状態)→内腔(ないこう)が狭くなる→腸内の圧力が高まる→憩室(けいしつ)ができる(腸内圧力の上昇によって、粘膜が中から外に押し出されることによってできるポケット状のくぼみ)→便通がさらに悪くなる(停滞便)→停滞便が毒素を発生し、その部分の細胞に遺伝子変化を起こさせポリープを作る→ポリープが成長しガン化、といったサイクルになるようです。一言でいうと消化が悪いということなのでしょうが、もう少しマウスなどを使って、お肉の種類(牛、豚、鳥)ごと、部位ごとでさらに臨床データが欲しいところです。私的には、この説明がお医者さんらしくわりと納得行きました。他にも、同じ動物性でも魚(それも生食がよりベター)はOK、牛乳、マーガリン、がなぜNGなのかの説明も一読の価値ありでした。

ただし、この仮説も膨大な臨床結果からの相関関係(肉食などの人と腸相は悪い人の間に正の相関を知覚しているだけ)であって、因果関係を明示しているわけではないので、もうあと一息科学的なアプローチが欲しい所です。また腸相の悪さは、肉食そのものにあるのか、肉食の量に起因するのか、定量的な治験を行っていなのに、肉全般を否定するのは、ちょっと論理構成が雑な気がします。全ての食品は、プラス面、マイナス面あり、適量摂取をこころがけていれば特に問題ないのではというのが現段階での私の考え(どの程度が適量摂取かは議論の余地ありですが)。さらに、新谷氏の考えをより厳密に食事法に実践しようとすると、加熱調理の多いマクロビ的玄米菜食よりも、生のエンザイムをより大量に摂取できる今アメリカで人気のあるRAW FOOD(非加熱料理)の方が、理屈に合ってそうですが・・・ 

まぁ食事方法で若干の違いはありますが、東洋発祥のマクロと西洋医学のエキスパートがともに似たような玄米菜食を中心にした食事法が、健康で長生きするためには、より望ましい食事であるとしたところが興味深いです。

現代の我々の食事が栄養過多(食べすぎ)であることは、異論ありませんが、それでは、あまたある食品群の中で何を食べればいいの?となったら流派?によって千差万別です。私は、たまたまここ半年マクロな生活を送って(本屋でみつけたレシピが玄米菜食とは思えないぐらいおいしそうだったので…)体の調子がだいぶ良いのですが、それが、マクロビオティックのおかげかどうかは、自分の体で検証中(現在半年経過です)です。1年続けてみて、次の一年は、3ヶ月ごとに肉などの動物性たんぱく質を量を変えながら摂取してみて血液検査と照合してみようかなと思っています。

以下、マクロと新谷氏の食事法の共通点、異なる点、および私の感想です。
「病気にならない生き方」とマクロビオティック_f0070493_23461497.gif


最後にもう一枚、今日山手線の中吊りで激写(移り悪くてすみません)、財団法人日本食肉消費総合センターのちらし!「お肉大好き」というキャプションとともに森光子のうしろで肉をPRしている「生島ヒロシ」を発見。
お肉大好き生島ヒロシ

「病気にならない生き方」とマクロビオティック_f0070493_23495898.gif彼、確か新谷弘実との共著「ドクター新谷・生島ヒロシが胃腸を語る」
という本出して、「先生の食事法実践してます!」とのたまわっていたはずだが… うーん、タレント恐るべし!!
by sue0706 | 2006-02-17 23:42


<< 煮しめとあらめの煮物がおいしかった! 「野の葡萄」in鹿児島帰郷レポ >>