11月22日に我が家に新しい娘が産まれてから、想像以上の忙しさからすっかり畑にも行けておりません。妻が娘と母乳の需給が合わず乳腺炎にかかったり(今はだいぶ良くなってきました)、家をあけにくい状況ではあったのですが、いろいろな人に助けてもらいながら何とか外出の目処がたったので、今年最後の取材に、京都の丹後半島にある伊根町というところに行ってきました。
新幹線で京都駅は何度か通ったことがあるのですが、同じ京都でもこんなに違うのかと今回の旅で初めて知りました。京都縦貫道という高速がまだ全部つながっていないので、京都駅から高速と県道を乗り継ぎながら、2時間30分ぐらいで何とか雪の降る日本海の方に行って来ました。寒すぎです!!
当日の撮影が朝の6時入りだったので、現場から車で30分ほど手前の天橋立近くのホテルに前泊しました。夜遅くついたので、日本三景の天橋立は拝めずじまいです…
ホテルの人に紹介してもらって晩御飯を食べに行ったのが、「ニューきらく家」さん。なぜニューがつくのかは謎ですが…
ディレクターと明日の取材について少し打ち合わせもしたかったのですが、ご主人のあついマシンガントークでずっと喋りっぱなしの2時間でした… 気さくで何とも言えない味のあるおやじさんです。
絵画趣味で、店内にはたくさんのご主人が描いた地元の絵がありました。料理の方は、海鮮丼が特に美味しかったです。
ご主人おすすめの焼きガニもいただきました。こちらも美味です。
いろいろな魚のあらを煮込んだあら煮も絶品でした。
取材先の向井酒造さん作のにごり酒もいただきました。
鹿児島出身なのにお酒にめっぽうに弱い私は一口だけいただきましたが、香りがとてもよくとても美味しくいただけました。おやじさんもこのにごり酒を絶賛してました。
美味しい魚とカニとおやじさんの人情に触れたい方は、ニューきらく屋さんにどうぞ!
☆ニューきらく屋☆
翌朝、朝の4時に起床し、レンタカーのフロントガラスにたまった雪をフロントの方と一緒にとりのぞき、慣れない雪道を伊根町まで向かいました。
6時前に現場につくと、もう朝の仕込み作業を行っていました。外はまだ暗いです。
ここの酒造りをとりしきる杜氏は女性で向井久仁子さんといいます。東京農業大学の卒業生でもあります(ちなみにお父さんも妹さんと弟さんもみな農大卒!)。
ここに今1年追いかけている東京農大の醸造科学科の学生2名が2週間近く学外実習として住み込みでお世話になっています。
蔵の二階から、発酵が均一になるように小さい体に取回しが難しそうな長い棒でかき混ぜています(櫂入れ)。頑張れ!
活性化された酵母がブクブク肉眼でも見えました。
蒸しあがったお米を、大急ぎで冷めないように運びます。
結構な力仕事です。
外は0℃近い中、蒸したお米に麹菌をかけるため室という部屋で作業を行います。ここだけは、30℃近い室温です。カメラも急な温度の変化に対応出来ず大変でした。
妹の聡子さんと実習生の2人でお米を広げています。
そして、麹菌を久仁子さんがまきます。手さばきが絵になります。
私たちはお昼過ぎに取材を閉めましたが、皆さんは午後もたくさん仕事が残っているようでした。お米や菌など生きたものを扱うので繊細さと大胆な力仕事がミックスしたような本当に大変な作業ですが、普段何気に口にするお酒というものが、こんなにも大変な工程を経て出来上がっているのかと思うとお酒いっぱいにも一期一会の気持ちが一杯になります。
こういう職場というのは得てして、目で見て盗め!の世界で、近寄りがたいイメージのある職人さんですが、こちらの皆さんは、実習生の学生にも本当に丁寧に親切に教えてくれます。ここまで仕事させてもらって学生にとっても本当にいい経験になったかと思います。こういう気配り、目配り、心配りのできる人達に囲まれて作られたお酒は、何ともいえない温かいアジがあります。忙しい作業の合間に、美味しいお食事までいただき本当に皆さんありがとうございました。
仕事とはいえ、本当に楽しい1日でした。子供が少し落ち着いたら、家族でプライベートで必ず再訪しようと思いました。
お土産に、お酒とお菓子を買って帰りました。
伊根満開は、栄養価の高い赤米も入っているお酒です。
美穂久仁は、久仁子さんと農大時代の同級生美穂さんが作ったお米で作った二人のコラボレーションです。学生時代からの二人の夢だったそうです。いいですね。こういう作品。
お菓子は、伊根満開の酒粕を使ったロールでとても美味しくいただきました。
☆向井酒造☆
留守中、妻からもらったみなのじ通信。夜中に怪獣になることもたびたびですが、それでも何ともいえず可愛いです。by親ばか1号より。
よくやるポーズ、どうもスミマセン。
母乳をたくさん飲んだ後の恍惚のみなのじ。
今週末は、1ヶ月検診です。すくすくと育っています。